本郷のおでん屋「呑喜」

本郷で用件を済ませた後、夕方から有名なおでん屋に連れて行ってもらう。
東大農学部の前にある、明治時代から続く店である。


実家の両親は西の方の人間なので、家庭で食べるおでんは微妙に関西風である。「すじ」と言うとサメのすり身ではなく、牛すじの串が入っている方だ。
こちらの店は「元祖東京おでん」といった感じで、つゆは甘辛い方。主に今までおでんとして食べたことのないものを頂く。ふき、里芋、篠田巻きなど。「袋」はこの店が考案したものらしいが、油揚げの中は餅ではなく、牛肉・玉ねぎ・糸こんにゃく、と牛鍋の具が詰まっている。


ビールとぬる燗を1本ずつで、あまり長居しないで店を出る。連れて行ってくれた初老の人曰く、「日があるうちに呑みに入ったら、日が沈まないうちに店を出るのが良い」とのこと。
この店に限った話ではなく、その人の酒飲みのポリシーらしいのだが、なるほどその方が「粋」であるように思えて、満足した心持ちで、まだ完全に沈みきらない本郷通りを家路についた。


↓紹介ページのひとつ。
http://www.tokyo-np.co.jp/yume/ajitanken/20010614.html